名古屋市名東区の司法書士 酒井健のブログ

電話加入権に質権がついている場合はどうすれば良いか? その1

補助者
補助者

電話加入権に質権がついているとはどのようなことなのですか?

本職
本職

まずは電話加入権について確認しましょう。

免責事項

細心の注意を払って情報を掲載しておりますが、この情報の正確性および完全性を保証するものではありません。執筆時時点の法令を前提に記事を作成しており、法改正等によって結論が変わる可能性もあります。
なお、予告なしに、掲載されている情報を変更することがあります。


電話加入権とは?

今や電話は携帯電話やインターネット回線を利用するIP電話などがありますが、かつては固定電話しかありませんでした。
その固定電話を利用するのには、電話加入権という権利を取得している必要がありました。

そういった事情もあり、かつては電話加入権に対して価値が8万円ほどあった時代があり、立派な資産となっていましたました。
しかしながら、現在の電話加入権の価格はネットオークションで数千円での取引をされていますし、国税の評価としては1500円となる模様です。

そのような低価値となってしまった電話加入権ですが、利用中の電話加入権を取得していると月々の基本料金がかかってしまいます。

電話加入権所有者としては、担保を解除するなりして、休止や売却にもっていきたいところです。


電話加入権質とは?

本職
本職

続いて電話加入権質について確認しましょう。

電話加入権に対しては、旧公衆電気通信法第38条第4項の規定によって原則として質権を設定することは禁止されていました。

旧公衆電気通信法第38条(電話加入権の譲渡等)

1 電話加入権の譲渡は、公社の承認を受けなければ、その効力を生じない。
2 公社は、前項の承認を求められたときは、電話加入権を譲り受けようとする者が電話に関する料金の支払を怠り、又は怠るおそれがあるときでなければ、その承認を拒むことができない。
3 電話加入権の譲渡があつたときは、譲受人は、加入者の有していた一切の権利及び義務を承継する。
4 電話加入権は、質権の目的とすることができない。

一方で、脱法的に電話加入権を質権を設定するケースが横行していたようです。

電話加入権にはそれなりの価値がありましたし、インターネットもない時代、事業者は電話が使えなくなると事業が立ち行かなくなるため、債権者には価値以上の担保価値があったものと思われます。

そのため、電話加入権質に関する臨時特例法で債権者を金融機関等に限定するなどの一定の要件の下、電話加入権に質権を設定することが認められました。

電話加入権質に関する臨時特例法 第1条(質権の設定)

電話加入権(電気通信事業法(昭和59年法律第86号。以下「事業法」という。)附則第9条第1項又は第2項に規定する権利をいう。以下同じ。)を有する者は、同条第一項の規定により事業法附則第3条の規定による廃止前の公衆電気通信法第38条から第38条の3までの規定がなおその効力を有する間は、この法律の定めるところにより、その電話加入権に質権を設定することができる。


電話加入権に質権がついていると問題は?

補助者
補助者

電話加入権に質権がついていると何が問題なのですか?

本職
本職

次のような問題が発生します。

質権が電話加入権に設定されていると、電話加入権の休止、解約ができないようです。

そうすると、毎月基本料金を払っていく必要がありますので、できるだけ早く解消する必要があります。


解決編は別の記事で書いています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です