名古屋市名東区の司法書士 酒井健のブログ

司法書士業務でAdobe Acrobat Reader(無料)は使えるのか?

補助者
補助者

司法書士業務で無料のAdobe Acrobat Readerを利用することはできるのですか?

本職
本職

十分に使えると思います。特に開業したての司法書士の参考になる記事となればと思います。

免責事項

細心の注意を払って情報を掲載しておりますが、この情報の正確性および完全性を保証するものではありません。執筆時時点の法令を前提に記事を作成しており、法改正等によって結論が変わる可能性もあります。
また、各種ソフトなどの改修、お手持ちの機器の状況により本記事の通りとならない可能性もありますが、本職は一切関知致しません。利用する場合は必ずテストをして運用してください
なお、予告なしに、掲載されている情報を変更することがあります。


なぜAdobe Acrobat Readerを利用したいのか

かつては有料のAdobe Acrobat DC(StandardまたはPro)は買い切りのソフトでしたが、現在サブスクリプションのみの契約しかありません。

俗に言う「Adobe税」ということになるのでしょうけど、2022年8月現在、月額3380円が必要です(年契約だとひと月当たり1980円です)。

一方で司法書士業務では、せいぜいPDFの結合と電子署名を行うくらいなので、有料版のAdobe Acrobat DCではあまりにオーバースペックと言わざるを得ません。

そこで、無料のAcrobat Readerで代用できないかと考えるわけです。毎日登記申請を出す、調子のいい事務所ならはした金みたいなものでしょうが、私のような貧乏事務所ではいかに日々のコストを下げ、スモールビジネスに徹するのも重要な経営戦略となります。

ちなみに、スモールビジネスに関するこんな記事を書いています。

申請用総合ソフトのシステム要件

まずは申請用総合ソフトの利用環境を下記リンクからご覧ください。

ただし、今売られているWindowsパソコンでこの環境を満たさないものを探す方が難しいと思います(笑)。

なお、署名プラグインというものもあります。この署名プラグインはその前提として有料のAdobe Acrobatが導入されている必要があるようです。しかし、この署名プラグインはいったい何をするソフトなのか、私が調べる限りではよくわかりませんでした。

実際に無料のAcrobat Readerは司法書士業務で使えるのか?

結局、無料のAcrobat Readerは、司法書士業務で使えるのでしょうか?

その答えは、十分に使えます

例えば、定款の作成時、定款作成代理人としての司法書士の電子署名は、無料のAcrobat Readerだと

  • ツール
  • 証明書(万年筆のアイコン)
  • デジタル署名
  • 続行(初期設定を済ませていない場合は「新しいデジタルIDを設定」から初期設定をしてください)
  • 司法書士電子署名のパスワードを入力
  • 署名

この順番を経ていただければ問題なくPDFに電子署名ができます。

また、私自身も有料のAcrobatを導入していませんが、申請用総合ソフトで申請書に電子署名をかける場合や申請がエラーとなったことはありませんので、使えるといって差し支えないと思います。

なお、アドビシステムズ社も法務省も無料版でOKというアナウンスは一切していないことも併せて申し伝えておきます

本職
本職

当職は、全ての司法書士事務所が無料のAcrobat Readerが使えるかを保証しません。実践投入の前に必ずテストをしてください

Acrobatとの比較

有料版と無料版の違いについてはアドビシステムズ社がまとめていますので、ご覧ください。

本職
本職

個人的には、ゴリゴリPDFを編集しないのであれば、無料のほうで構わないと思います。

PDFの分割などの簡単な編集ならば、サードパーティー製のソフトもありますので、そちらを検討してもよいと思います。

ただ、十分な機能を有してるAcrobat Readerを無料で提供しているアドビシステムズ社は素晴らしいと思いました。